映画「シェイプ・オブ・ウォーター」言葉がなくても愛は芽生える

シェイプ・オブ・ウォータ 感想 amazon prime video

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2018年のアカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞した、ギレルモ・デル・トロ監督の異色作『シェイプ・オブ・ウォーター』。長らく配信を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。私もその一人で、Amazon Prime Videoでの配信開始を心待ちにしていました。

本作は、幼少期のトラウマで言葉を話せない女性と、政府の極秘研究所に運び込まれた未知の生物との間に芽生える、ファンタジックでいて深く心に触れるラブストーリーです。しかし、その背景には冷戦下のアメリカという時代設定や、社会的な差別といったテーマも織り込まれており、単なるファンタジーラブでは終わらない、重厚なドラマとしても見応えがあります。ただし、美しい映像の裏側には、人が傷つけられたり、追い詰められたりする生々しい描写も含まれるため、鑑賞する際は心身ともに落ち着いた状態をおすすめします。

鑑賞後、私が抱いたのは「なぜもっと早く観なかったのだろう!」という後悔にも似た強い感動でした。個人的な理由で鑑賞を躊躇していたのですが、それを差し引いても、この作品が持つ唯一無二の魅力に完全に心を奪われました。

美しい水と青を基調とした色彩設計、そして何よりも、言葉を超えて深く結びついていくイライザと不思議な生き物の関係性は、ファンタジーラブというジャンルの中でも、ひときわ異彩を放ち、深く心に刻まれる体験となるでしょう。

あらすじ

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働くイライザ(サリー・ホーキンス)は、研究所内に密かに運び込まれた、アマゾンで神のように崇拝されていたという不思議な生き物(ダグ・ジョーンズ)を目撃します。幼少期のトラウマで声が出せないイライザは、“彼”の孤独な瞳に強く惹かれ、言葉を超えたコミュニケーションを通して、少しずつ心を通わせていきます。

しかし、そんな二人の間に、実験の犠牲にしようとする研究所の思惑が立ちはだかります。イライザを支える友人ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)とゼルダ(オクタビア・スペンサー)、そして二人を追い詰める冷酷な軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)。様々な思惑が交錯する中、イライザは“彼”を守るために、危険な行動に出ることを決意します。

アカデミー賞では、作品賞、監督賞(ギレルモ・デル・トロ)、美術賞、音楽賞を含む4部門を受賞。全13部門にノミネートされたことからも、その完成度の高さが伺えます。

シェイプオブウォーター 映画.comより引用

映画の見どころ

▶アカデミー美術賞受賞も納得!息をのむ色彩美とヴィンテージ感溢れるインテリア

物語を彩る、豊かで深みのある色彩設計は、アカデミー美術賞の受賞も納得の美しさです。特に、イライザが共同生活を送るアパートは、ヴィンテージ家具や装飾が施され、まるで一つの芸術作品のよう。映画館の上にあるというロケーションも、独特の雰囲気を醸し出しています。隣人ジャイルズが美術関係の仕事をしているという設定も、この洗練された空間に説得力を与えています。

また、イライザの質素ながらも洗練された私服や、どこかレトロで可愛らしい清掃員の制服も印象的です。特に、不思議な生き物の水色、水槽の青、そしてイライザの制服の色合いが織りなすコントラストは、幻想的な雰囲気を一層引き立てています。映画のポスターや予告編で見られる、水色の生命体、青い海、そして赤い服を着たイライザの組み合わせは、どこかジャン=ピエール・ジュネ監督の『アメリ』を彷彿とさせる、独特の色彩感覚を感じさせます。

▶言葉を超えた魂の交流。気付けば応援している、もどかしいほどの純粋さ

本作に登場する未知の生命体が、一体何の生物なのかは最後まで明かされません。キャスト欄にも「不思議な生き物」としか記載されていない徹底ぶりは、観る者の想像力を掻き立てます。

言葉を話せないイライザと、人間を警戒する不思議な生き物。二人の間には、言葉の壁が存在しますが、イライザは持ち前の優しさと行動力で、少しずつ彼の心を解きほぐしていきます。大好きなゆで卵を差し出したり、手話でコミュニケーションを試みたり、音楽を共有したり。その懸命な姿に、観る者はいつの間にか心を奪われ、二人の間に育まれる特別な感情を応援していることに気づくでしょう。

「言葉ではなく、行動に真実が表れる」――恋愛相談の本の一節を思い出すまでもなく、イライザの行動は、彼女の深い愛情を雄弁に物語っています。二人の間には、様々な困難が待ち受けていますが、言葉を超えた魂の繋がりは、観る者の心を強く揺さぶります。

▶脇を固める名優たちと、憎むべき悪役の存在感

本作の魅力を語る上で欠かせないのが、イライザを取り巻く個性豊かな脇役たちです。カフェのバーテンダーに恋をする隣人ジャイルズ、一見強気ながらもイライザを気遣う同僚ゼルダ、そして、冷酷で差別的な軍人ストリックランド。

ジャイルズとイライザの心温まる交流、ゼルダのさりげない優しさ、そして、イライザや不思議な生き物を執拗に追い詰めるストリックランドの憎らしさは、物語に奥行きとメリハリを与えています。特に、友人の数が少なくても、質の高い人間関係を築くことの素晴らしさを、ジャイルズとゼルダの存在は教えてくれます。そして、言葉を持たないイライザと不思議な生き物の関係も、まさに「行動で築き上げる」愛の究極の形と言えるでしょう。

ファンタジーラブというジャンルでありながら、人間の普遍的な感情や社会の歪みを描き出すヒューマンドラマとしての側面も持ち合わせている本作は、きっとあなたの心に深く刻まれるはずです。

映画詳細

タイトルシェイプ・オブ・ウォーター
公開2018年3月1日
上映時間124分
キャストイライザ役:サリー・ホーキンス
ジャイルズ役:リチャード・ジェンキンス
ゼルダ役:オクタビア・スペンサー
不思議な生き物:ダグ・ジョーンズ
ストリックランド:マイケル・シャノン

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