【衝撃の展開】映画『さがす』感想・考察|120分で心をえぐる傑作サスペンス

さがす 映画 感想 120分以内

2022年1月公開の映画『さがす』。主演・佐藤二朗がこれまでのイメージを覆すシリアスな演技で魅せ、娘役・伊東蒼の透明感と芯の強さが光る、重厚なサスペンス・ヒューマンドラマです。鑑賞後の余韻が深く、SNSでも話題沸騰中の本作を、ネタバレを避けつつ徹底レビューします。

あらすじ|

大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、智は煙のように姿を消す。
ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。
失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった――。

映画「さがす」公式サイトより引用

見どころ・考察|二転三転する展開と“さがす”の意味

前半と後半で激変する視点と構図

物語は楓の視点で始まり、父の失踪を追うミステリーとして進行。しかし中盤以降、父・智や指名手配犯の過去が交錯し、観客の予想を裏切る展開に。ヒューマンドラマからサスペンス、さらには社会派の問題提起へとジャンルが変化し、最後まで一瞬たりとも目が離せません134

圧倒的リアリティと役者陣の怪演

佐藤二朗は普段のコミカルな印象を封印し、葛藤と苦悩に満ちた父親役を熱演。伊東蒼のまっすぐでクリアな演技は、重い空気の中で一筋の光のように輝きます。森田望智が演じる自殺志願者・ムクドリも強烈な印象を残し、全キャストの演技が映画の緊張感を高めています156

“いちごゼリー”の謎と象徴性

物語中盤、楓が担任の家で出される“いちごゼリー”のシーンは印象的。家族の中で自分の居場所を見失い、ゼリーを黙ってポケットにしまう楓の姿は、彼女の孤独や大人への不信、そして「自分の力で解決する」という決意の象徴とも受け取れます。観る人によって解釈が分かれる、深い余韻を残す場面です。

ラストの衝撃と“救い”のなさ

本作は「誰も救われない」「後味が悪い」と評されることも多いですが、それこそが“さがす”というタイトルに込められた人間の業や、現実の厳しさを突きつけています。観終えたあと、自分なら何をさがすのか――思わず考えさせられる余韻が残ります。

総評|120分で心を揺さぶる、唯一無二の傑作

『さがす』は、予定調和を拒み、観客に問いを投げかける骨太な作品です。重いテーマながら、脚本の完成度、役者陣の怪演、リアリティある大阪の描写が絶妙に絡み合い、ラストまで一気に引き込まれます。伊東蒼の今後の活躍にも大注目。サスペンス好きはもちろん、心に残る映画を探している方に強くおすすめします。

【おすすめポイントまとめ】

  • 佐藤二朗の新境地となるシリアスな演技
  • 伊東蒼の透明感と芯の強さが光る
  • 二転三転する予測不能な展開
  • “いちごゼリー”に象徴される少女の心情
  • 観終わった後も心に残る余韻と問いかけ

映画『さがす』を観る前に知っておきたい5つのポイント

  1. 予備知識なしで観るのが一番!
  2. サスペンス×ヒューマンドラマの傑作
  3. 120分で人生観が変わるかも?
  4. 役者陣の怪演に注目
  5. “さがす”の意味を自分なりに考えてみて

映画『さがす』、ぜひあなた自身の目で“真実”をさがしてみてください。

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ともぴん

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