愛した夫は一体、誰だったのか――。映画『ある男』が問いかける、愛の深淵と人間の複雑さ
2022年公開当時からその衝撃的な設定と、日本アカデミー賞最多8部門受賞という輝かしい実績で話題を呼んだ映画『ある男』。待ちに待ったAmazon Prime Videoでの配信開始に、いてもたってもいられず鑑賞しました。愛する夫が不慮の事故で亡くなった後、夫の親族から告げられた衝撃の一言。「その人は、全然知らない人です。」――この一言から始まる物語は、観る者の心を深く揺さぶり、愛とは何か、そして人は何によってその存在を証明されるのかという根源的な問いを突きつけてきます。
妻夫木聡さんが、亡き夫の「正体」を探る弁護士・城戸を、窪田正孝さんが謎の多い夫・Xを、そして安藤サクラさんが夫の真実を知りたいと願う妻・里枝を演じます。
視聴方法
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あらすじ
芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラーを、「蜜蜂と遠雷」「愚行録」の石川慶監督が映画化したヒューマンミステリー。弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から奇妙な相談を受けます。亡くなった夫・大祐の身元調査をしてほしいというのです。離婚後、故郷で大祐と再婚し、子供たちと幸せな家庭を築いていた里枝。しかし、長年疎遠だった大祐の兄が、遺影の男は別人だと告げたことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが判明します。城戸は、依頼を受け男の正体を追う中で様々な人物と出会い、驚くべき真実に近づいていく――。
第46回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、主演男優賞(妻夫木聡)、助演男優賞(窪田正孝)、助演女優賞(安藤サクラ)、録音賞、編集賞と、最多8部門を受賞しました。
映画「ある男」 映画.comより引用
映画の見どころ
過去を消しても未来は保証されない
誰しもが心の奥底に、消し去りたい過去を抱えているのではないでしょうか。それは些細な失敗から、人生を大きく左右するような出来事まで様々です。窪田正孝さん演じるXの抱える過去は、まさに「その過去さえなければ」と思わせるほど重いものです。一方、安藤サクラさん演じる里枝にとっての過去は、新たな愛によって上書きされたように見えます。そして、妻夫木聡さん演じる城戸自身もまた、「なかったことにしたい過去」を抱えているのです。
本作は、過去を消すことの是非、そしてその難しさを深く描いています。表面的には消えたように見えても、過去の火種は心の奥底で燻り続け、いつ再び姿を現すかわからない。過去を消したとしても、常にその影に怯えながら生きることになるのかもしれません。
清野菜々×仲野太賀のパート良い!あれ?と思ったら原作を読もう!
Xの過去を辿る中で、城戸が出会うのが、Xの恋人(?)である後藤美涼(清野菜々さん演)です。複雑に入り組んだ物語の中で、彼女が登場するパートは、まるで一服の清涼剤のように、観る者の心を癒します。感情がストレートに表れる彼女の存在は、物語に一筋の光を灯しているようです。
そして、物語のラスト、主要キャストではない美涼の言葉が、観る者の感情を強く揺さぶります。正直なところ、映画の複雑なストーリー展開に、一度見ただけでは完全に理解しきれない部分もありました。そこで原作を手に取ってみると、仲野太賀さん演じる本物の大祐の過去が詳細に描かれていることがわかりました。
映画の時間的な制約からカットされたのかもしれませんが、原作のこのパートを知ることで、物語全体の奥行きが増し、より深く理解することができました。もし、映画を観ていて「少し置いてけぼり感を覚えた」という方がいらっしゃれば、ぜひ原作を手に取ってみることを強くお勧めします。映画では語られなかった、もう一つの重要な物語がそこにはあります。
映画について
タイトル | ある男 |
劇場公開 | 2022年11月18日 |
上映時間 | 121分 |
キャスト | 城戸章良役:妻夫木聡 谷口里恵役:安藤さくら 谷口大祐役(X):窪田正孝 後藤美涼役:清野菜々 谷口恭一役:真島秀和 中北役:小藪千豊 悠人役:坂元愛登 武本初江役:山口美也子 谷口大祐役(本物):仲野太賀 |
映画『ある男』は、単なるミステリーとして終わらない、人間の存在、愛の形、そして過去との向き合い方を深く考えさせられる作品です。
妻夫木聡さん、安藤サクラさん、窪田正孝さんをはじめとする俳優陣の息をのむ演技、そして石川慶監督の繊細な演出が、観る者の心を掴んで離しません。
ぜひ、Amazon Prime Videoでこの衝撃的な物語を体験してください。

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ともぴん
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