9/22公開 ロスト・キング鑑賞してきました。テレビや情報番組等でも紹介されていたので人多め。年配の方が多い印象。
500年。果てしなく長い間ないものとされていたリチャード3世の遺骨を考古学や歴史家ではない主婦が見つけた史実に基づく物語。リチャード3世については菅野文さんの漫画「薔薇王の葬列」で多少の知識(薔薇戦争や彼のモチーフが猪であること)はある状態。
とは言え、一国の王であった人の遺骨が最近まで見つかっていなかったとは。(ニュース見なすぎです)何かに夢中になる人、その過程を見られて更に結果がついてくる。そんな映画が見られて幸せな気持ちになりました。(似たような映画ではAIR(エア)が好き)
リチャード3世って
まず「リチャード三世って誰?」って方もいるかと…(居ないかな?)。私は前述の漫画「薔薇王の葬列」を見ていなければ確実にそうなので。リチャード三世に関してWikipediaに書かれていることやあれやこれを引用にて書き出しますが、Wikipediaを見て貰った方が分かりやすいとは思います。
私も調べてみて知ったのですが、中世ヨーロッパと呼ばれる時代はリチャード三世の治世で終了だそう。その後は、近世ヨーロッパの扱いとなると書かれていました。その情報が確かなのであれば「中世ヨーロッパ最後の王」と書いても良いのかな。
リチャード三世とは???
ヨーク朝最後のイングランド王(在位:1483年 – 1485年)。薔薇戦争の最後を飾る王である。
エドワード3世の曾孫であるヨーク公リチャード・プランタジネットとセシリー・ネヴィルの八男で、エドワード4世とラトランド伯エドムンド、クラレンス公ジョージの弟。即位前はグロスター公に叙されていた(在位:1461年 – 1483年)。護国卿でもあった(在位:1483年)。
戦死した最後のイングランド王であるが、他に戦死した王は1066年にヘイスティングズの戦いで敗死したハロルド2世と、1199年に矢傷がもとで死亡したリチャード1世がいるのみである。1484年1月に王直属の機関として紋章院を創設したことでも知られる。旗印は白い猪、銘は“Loyaulté Me Lie”(ロワイオテ・ム・リ)で、意味は古フランス語で「忠誠がわれを縛る」。
リチャード3世 (イングランド王) – Wikipediaより引用
リチャード三世についてネットで調べた情報をざっとまとめると
・薔薇戦争(ランカスター家とヨーク家の王位をめぐる争い)を終結させた人
・戦死した最後の王
・モチーフは白い猪
・印刷機を普及させた
薔薇王の葬列にも白い猪が出てくるのですが旗印でもあったんですね。猪って日本では干支に入る割と身近な動物なので親近感が湧いてしまいます。そして、戦死する王の少なさにも驚いている。王を担いで戦争するんだからそりゃそうか。
強い思いと機転がプロジェクトを動かす
リチャード3世の解説に結構なスペースを割いてしまった。(まぁいいか)映画の主役はフィリッパ。2人の子どもを持つ主婦です。仕事に就いていますが、過去に病気を患った事により正当に評価されていません。
勿論、フィリッパはその事について納得がいっておらずしっかり上司に抗議をしにいきますが聞き入れては貰えません。そんな中、とあるきっかけからフィリッパはイギリス内では評価の低い「リチャード3世」に興味を持ちます。リチャード3世について書かれた本を片っ端から読み調査し、色々な伝手を頼り情報を集めます。
その中でリチャード3世協会という有志の集まりを見つけ参加、交流と知識を深めていきます。その後、遺骨を発見するまでトントン拍子に進む…訳もなく…。まぁ、悔しい思いをすることの連続。考古学者でもない歴史家でもないフィリッパの企画が見向きもされるはずもなく。
その昔(でもないか)「涙は女の武器ですから」的な発言をし慌てて弁明する事になった総理大臣が日本に居ましたが、同じような事をフィリッパも指摘されてしまいます。ただ映画の中(史実的にもそうなのかは不明)では、支援してくれる存在の女性が非常に的確なアドバイスをくれます。
そして、ちょっとしたピンチを迎えた登場人物の機転により企画が通り、資金面も仲間のアイディアで予算を集める事に成功。強い思いも大切だけど、思いが強すぎて受け入れてもらえなかったり、拒否される事はある。別の視点から同じ物事を見てもらうって結構大切。一人で何かを成し遂げるって難しくて「色々な人に協力してもらうこと」は成功の秘訣だったりもする。
とは言え、500年もの間見つからなかった遺骨を見つけたのは最終的にはフィリッパが指摘された口癖のようなものを頼りにした指示…。解釈が非常に難しいけれど「考えるな感じろ」的な事なのか。はたまた別の何かが働いたのか…。
印象的だったこと 信心深さは世界共通
こういったストーリーの映画は、ある意味終わりが分かっていますよね。遺骨が見つかるのは既定路線な訳です。なので、こういった映画の怖いところは面白くないと眠くなる。面白かったから寝なかったけどね。
途中、とても興味を惹かれたのが遺骨がどこにあるのかまだ分かっていない段階でアドバイスを聞いている時。その中で教授(?)のような方が
・仮にも王であった方を埋葬していないって事はない(大っぴらには言えなかっただろうけど)
・口上伝承等で伝わってきた過去があるはず(途中で途切れてしまっただろうが)
・建物は建っていないのではないか
といったアドバイスをされていて。日本人にもそういった感覚がある気がするので何となく国とか信じているものは違えど「人として大切にしたいもの」って万国共通なんだな、と思ったのです。
子供の頃、近所のおばちゃんとか親に「あの道は通るんじゃない」とか「ああいう場所に家を建てると…」的な話をされた事がありまして。「へ~そ~なんだ~」と適当に流していましたが。今思うと我が家は家を建てているのでその土地選びの時に「聞いておいて損はなかった」と思ったのですよ。
とは言え伝承は土地選び程度にして程ほどに。生きてきて30数年。勘は外れても直感は外れない。この映画を見ても感じたけれど、ある程度の人生経験があればそれはもう直感ではないのだろう。面倒なので「直感」とか「第六感」とか言うけれど。従って間違えはない、ただし自分事に限る。
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ともぴん
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