2023年初映画【あのこと】

映画
ともぴん
ともぴん

新年早々とんでもない映画を見てしまった…が率直な感想
ストーリーはとても良いけど痛そうでゾクゾクする(痛いシーンが苦手な人)
でも こういう時代があった事、主人公の心情、演じる俳優さん 素晴らしい要素が多く
痛いシーンが苦手な人でなければオススメします。フランスの田園風景もとても素敵。

舞台はフランス 中絶手術が違法だった時代のこと

アンヌの毎日は輝いていた。貧しい労働者階級に生まれたが、飛びぬけた知性と努力で大学に進学し、未来を約束する学位にも手が届こうとしていた。ところが、大切な試験を前に妊娠が発覚し、狼狽する。中絶は違法の60年代フランスで、アンヌはあらゆる解決策に挑むのだが──。
ーあのこと 公式サイトより引用ー

この映画、見終わってから数日してから捉え方が変わった珍しい映画。それもそのはず 置かれた状況、時代は違えど主人公と私の間には 学生時代に妊娠する という共通点が。選んだ選択肢が違う為 衝撃を受けるシーンの連続だったのですぐには受け止められず。後からゆっくり考えて少しずつ理解した感じです。

ただ 結構なとんでもシーンが沢山出てくるので 痛いのとかグロいのとかちょっと苦手だなーって思う方にはオススメはしません。普段、映画を見て「想像より面白くなかった」と思う事はあっても後悔したり途中で席を立つ事はないのですが今回初めて「うわー…とんでもない映画選んじゃった…」と途中、席を立つか悩みました。

中絶手術を禁止する法案について何かを思うより 映画のシーンの数々を見て よく命が無事だったな… としか思えず。映画公式サイトに掲載されている原作者からのメッセージを見た時に選択肢がある事は幸せな事なんだと痛感し映画全体の捉え方が変わりました。選択肢がある事で悩む事もあるけれどそれは大変な時代を生きた先人達からのプレゼントでもあるんですよね。

妊娠・出産は女の人生を変える

この映画は原作があるのですが 著者が自ら体験した話 とサイトに掲載された著者メッセージに書いてあります。主人公と同じように悩み 学位を諦め出産する女性もいれば 同じような行動をして命を失った女性(おそらく胎児も)も居るはず。それにより現状が変わったのだろうと感じます。

思想や思考は人それぞれなので安易に主張はしたくないですが…選択出来るようになった事により救われている命や未来があるのだろうと想像します。出産は女性にしか出来ない行為です。最近でこそワンオペ育児が問題視されたり、男性側が育休取得するなど時代が変わっている事を感じてはいますが まだまだ身体的なリスクや引き換えにしているもの(出世、家事の時間等)は女性の方が多いと感じざるをえません。

ついこの間見たニュースで 給料が上がらず物価が上がり続ける今 結婚や出産はせずに未婚を貫きたいと考えている若者が増えているというデータが出ていました。どちらの性別が多いかなどは出ていませんでしたが 正直、その考えを否定出来ません。まだまだ キャリアか育児かどちらかしか選べない雰囲気が職場にも世間にもある気がしています。

少し前のように 金銭的にも世間的にも安心して子どもを産める女性が増えて欲しいと思いますがその為には 立ちはだかる山が沢山あり難しさを感じます。私も子育てが落ち着いた今だからこそ 何か出来る事はないかな と考えるようになりました。まだ情報収集している段階なのでスタート地点にすら立てていないのですが。

どんな選択をしても後悔は残る 大切なのは自分で決めること

冒頭でこの主人公と私には共通点があると書きました。私は妊娠した時、建築関係のお仕事に就く為に専門学校に通っていました。当時、付き合っていた夫とは学校を卒業したら結婚する約束をしていたし いつかは子供も産みたいと思っていましたが それは「いつか」であって今ではないと焦ったのを今でも覚えています。

主人公も 何で私だけ というセリフを劇中で繰り返します。主人公とは置かれた立場が大分違うのですが 年齢は同じ。私は産む事を決意しましたが それにより「専門学校卒」という学歴(なくても全然大丈夫だけど)と社会人経験を失っています。少し大げさですが違う決断をしていたらこの2つは間違いなく手にしていただろうと確信を持っています。

自分が下した決断に後悔はしていません。でも1つだけ後悔するとしたら「学校に交渉をしなかったこと」。成績にも行動にも特に問題がなかった私。先生も何故…とはなかなか退学届けを受け取ってくれませんでした。

伝えるつもりはなかったのですが最終的にハッキリと 妊娠していて出産するので辞めます 伝えたところ退学届けを受け取って貰えたので交渉しても学校はやめるしかなかったと思うのですが…たまーに「休学とかできなかったのかな。」「入り直せば良かったのかな。」「どうにかならなかったのかな。」と考える事があります。子供を産んで後悔した事はなかったけれど 交渉せずに諦めた自分や出産後、学び直す決断をしなかった自分 に後悔を感じる事はあります。

主人公は命の危機も顧みず自分が選んだ道を突っ走りました。命があって良かったと恐怖すら感じたけれど夢を叶え力強く人生を歩んだ事を考えるとどんな道を選んでも後悔しない人生などないと感じます。大切なのは自分で選ぶ事。

他人の目や世間の目を気にして選んだ事による後悔は自分で選んだ事による後悔の何十倍もの苦しさがあると思います。戻りたいと思っても過去には戻れないので取り返しがつかないのも辛い。自分で選んだ事の後悔であれば行動や選択を変える事で同じ後悔をしなくて済みますからね。

現在の自分を作るのは10年~20年前の自分の選択なのだと最近ひしひしと感じます。慣れないなりに家事、育児、人付き合い、仕事をしてきた事で得られている事もあるし 同じだけ失っている事もある。今日、今月、今年選択する事は10~20年後の私を作る。

10年後、20年後、どんな自分で居たいかで選択や行動をしようと改めて固く誓った2023年初映画。2022年12月に体調を崩し年末まで映画鑑賞の時間を取れずに終わり心残りを抱えた年末。2023年は心身共に充実した日々を送る為に 毎月1回映画を見に行く時間を作ること を目標に仕事のスケジュールを組みなおそうと心に誓いました。

ともぴん

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