オープニングの「不気味さ」さえ懐かしい!
昨年冬、「ゲゲゲの鬼太郎の映画が面白い」という周囲からの評判を聞き久しぶりに映画館へ。劇場公開日から少し日が経っていたので「そんなに人は居ないかな?」なんて思っていたけど、とんでもない!女子高生から高齢の方まで様々な年齢の方でほぼ満員。
4/28~amazon prime videoでも配信中。私自身、ゲゲゲの鬼太郎を見るのが久しぶりだったのですが「そうだそうだ、こういう不気味な雰囲気だった」と子供の頃に感じた感覚をすぐに取り戻せました。
注意点としては、(グロシーン・説明に困るセンシティブな内容有)お子さんがうっかり鑑賞しないように注意が必要かな…と⚠お子さんが寝た後や連休後のまったりタイムを利用して鑑賞されることをオススメします。
視聴方法
amazon prime video
あらすじ
漫画家・水木しげるの生誕100周年記念作品で、2018〜20年に放送されたテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6期をベースに、シリーズの原点である目玉おやじの過去と鬼太郎誕生にまつわる物語を描いた長編アニメーション。
昭和31年。鬼太郎の父であるかつての目玉おやじは、行方不明の妻を捜して哭倉村へやって来る。その村は、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配していた。血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死の弔いを建前に密命を背負って村を訪れ、鬼太郎の父と出会う。当主の後継をめぐって醜い争いが繰り広げられる中、村の神社で一族の者が惨殺される事件が発生。それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。
声優陣には沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫らテレビアニメ第6期のキャストのほか、鬼太郎の父を関俊彦、水木を木内秀信が演じる。「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の古賀豪が監督、テレビアニメ「マクロスF」の吉野弘幸が脚本、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の副監督・谷田部透湖がキャラクターデザインを担当。
映画の見どころ
▶鬼太郎のお父さんが主役。つまりは目玉の親父。でも目玉じゃない。
鬼太郎のお父さんが「目玉の親父」であることは周知の事実かと思います。が、その目玉の親父に「目玉の親父になる前」の姿があることはご存知でしょうか。私は知っていたけど知りませんでした。
「知っていたけど知らなかった」のは…目玉じゃないことは知ってた。でもどんな姿かは知らなかった。という意味です。公式サイトにも「かつての目玉おやじ」とかシュールに記載されていて思わず笑ってしまった。
今作の主役は、鬼太郎ではなく「鬼太郎のお父さん」。つまり目玉の親父の若い頃。そこに普通の人間である血液銀行の銀行マン「水木」が絡んでいきます。2人ともある一族と関わった事で大変な事件に巻き込まれていき…というストーリー。
▶誰かの不幸の上に成り立つものはいつか崩壊する、そして犠牲になってしまう弱き者について
この映画には欲深い人間が沢山出てきます。欲深くはありませんが、わざわざ村に来た「水木」にも勿論欲があります。そして、かつての目玉おやじである鬼太郎の父も欲(?)目的(?)があって村に来ているのです。
この映画は「欲深さ」がもたらす怖さと併せて「閉鎖的な環境」というのもテーマにあると思っています。1人、または1つのチームで特定のメンバーが権力を持つとどのような事が起きるのか。
力関係がピラミッド型になることで、その影響が様々なものに伝染し、悪い循環を作る。正しいことや間違っていることを指摘できない環境が作られ、みんな自分を守ることしか考えられなくなってしまう。
(この映画の関係性って田舎出身者としてあまり他人事ではない。今は無いと思いたいけれど。)
そして、その欲深い人間の犠牲になるのは「弱き者」であることが多い。今回の映画にも、声を挙げられない弱き者、お金がない中で病気になった人たちが出てくる。そのような人たちに救いの手を差し伸べるべき力のある人たちの行い。溜まっていく弱き者の無念の思い。
▶反省や風刺のない時代などない。現代に思う、本当にそれで良いのか?
コロナ禍に沸き起こった「自己責任論」には、これに通じるものを感じた。デジタル社会に取り残される「アナログ人間」にも似たものを感じる。一部のものだけが情報を知っていて、知らないものは損をしたり割を食う。便利になった、でもそれで本当に良いのか。
現代の問題点を鋭く、でもそのままにはせず「気付くか、気付かないか」位の形でストーリーに盛り込ませている、と感じた。あっぱれ。そして人間のおろかさや浅はかさも幽霊や妖怪、種族を変えることで分かりやすく伝えてくれている(と思っている)。
子どもの頃に見た鬼太郎の映画はいくつかあったけれど。大人になった今、見たら子どもの頃に感じられなかった何かを見つけられるだろうか。最後に全然関係ない情報を1つ、ネズミ男、出てきますよ。
映画について
映画タイトル▶
ゲゲゲの鬼太郎 誕生秘話
製作▶2023年
劇場公開 2023年11月17日
上映時間▶104分
出演キャスト▶
鬼太郎の父(かつての目玉おやじ) 関俊彦
水木 木内秀信龍賀沙代 種崎敦美
長田時弥 小林由美子
龍賀時貞 白鳥哲
龍賀時麿 飛田展男
龍賀孝三 中井和哉
龍賀乙米 沢海陽子
龍賀克典 山路和弘
龍賀丙江 皆口裕子
長田(龍賀)庚子 釘宮理恵
長田幻治 石田彰ある謎の少年 登川登志夫
映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』公式サイト (kitaro-tanjo.com)より引用
鬼太郎 沢城みゆき
ねこ娘 庄司宇芽香
松田 松風雅也
目玉おやじ 野沢雅子
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