こんにちは!映画ブロガーのともぴんです。
先日、公開されたばかりの映画『ロスト・キング』を鑑賞してきました!テレビや情報番組でも取り上げられていたこともあり、劇場は多くの方で賑わっていました。特に年配の方が多い印象でしたね。
話題の映画『ロスト・キング』鑑賞!歴史を覆した主婦の情熱に感動!
本作は、500年もの間、所在不明となっていたイングランド王リチャード三世の遺骨を、考古学者でも歴史家でもない一人の主婦が発見したという驚くべき実話に基づいた物語です。
実は私、菅野文さんの漫画『薔薇王の葬列』でリチャード三世について多少の知識がありました(薔薇戦争のことや、彼のモチーフが猪であることなど)。
それにしても、一国の王の遺骨が最近まで見つかっていなかったとは…(完全にニュースを見逃していました)。何かに夢中になる人の情熱、そしてその過程を見守り、最終的に結果がついてくる。そんな感動的な映画を観ることができ、とても幸せな気持ちになりました。(同じように、何かに情熱を注ぐ人々を描いた映画『AIR/エア』も大好きです!)
【リチャード三世って誰?】「薔薇王の葬列」好きもそうでない人も!背景を分かりやすく解説
映画をより深く楽しむために、「そもそもリチャード三世って誰?」という方もいらっしゃるかもしれません(…いないかな?少なくとも、私は『薔薇王の葬列』を読んでいなければ確実にそうでした)。
ここでは、リチャード三世についてWikipediaなどの情報を引用しつつ、分かりやすく解説したいと思います。より詳しく知りたい方は、ぜひWikipediaもチェックしてみてくださいね。
驚いたことに、リチャード三世の治世は、中世ヨーロッパの終焉とされているそうです。彼の死後、ヨーロッパは近世へと移行したとのこと。もしこの情報が確かなら、「中世ヨーロッパ最後の王」と呼ぶこともできるかもしれませんね。
リチャード三世とは???(Wikipediaより引用)
ヨーク朝最後のイングランド王(在位:1483年 – 1485年)。薔薇戦争の最後を飾る王である。 エドワード3世の曾孫であるヨーク公リチャード・プランタジネットとセシリー・ネヴィルの八男で、エドワード4世とラトランド伯エドムンド、クラレンス公ジョージの弟。即位前はグロスター公に叙されていた(在位:1461年 – 1483年)。護国1卿でもあった(在位:1483年)。 戦死した最後のイングランド王であるが、他に戦死した王は1066年にヘイスティングズの戦いで敗死したハロルド2世と、1199年に矢傷がもとで死亡したリチャード1世がいるのみである。1484年1月に王直属の機関として紋章院を創設したことでも知られる。旗印は白い猪、銘は“Loyaulté Me Lie”(ロワイオテ・ム・リ)で、意味は古フランス語で「忠誠がわれを縛る」。
リチャード三世についてネットで調べた情報をざっとまとめると
- 薔薇戦争(ランカスター家とヨーク家の王位をめぐる争い)を終結させた人物
- 戦死した最後のイングランド王
- モチーフは白い猪
- 印刷機を普及させた(これはWikipediaには記載がありませんでした)
『薔薇王の葬列』にも印象的に登場する白い猪は、リチャード三世の旗印でもあったんですね。猪は日本の干支にも入っているので、なんだか親近感が湧いてしまいます。そして、戦死した王が意外と少ないことにも驚きました。王を担いで戦う時代だったことを考えると、当然なのかもしれませんね。
不可能を可能にした情熱と機転!映画『ロスト・キング』あらすじ
リチャード三世の解説でかなりのスペースを使ってしまいました(まぁ、重要な背景ですからね!)。映画の主人公は、フィリッパ・ラングレーという2人の子供を持つ主婦です。仕事には就いているものの、過去の病歴が原因で正当な評価を受けていません。
当然、フィリッパはその状況に納得できず、上司に抗議するのですが、聞き入れてもらえません。そんな中、ふとしたきっかけからフィリッパは、イギリス国内では悪評の高い「リチャード三世」に強い興味を持つようになります。
彼女はリチャード三世に関する本を読み漁り、独自に調査を進め、様々な伝手を頼って情報を集めます。その過程で、「リチャード三世協会」という有志の集まりを見つけ、積極的に参加し、交流を通じて知識を深めていきます。
しかし、そこから遺骨発見までがトントン拍子に進むわけではありません…。考古学者でも歴史家でもないただの主婦であるフィリッパの企画は、当初誰にも相手にされません。悔しい思いを何度も経験します。
昔、「涙は女の武器ですから」と発言して物議を醸した日本の総理大臣がいましたが、フィリッパも同じような偏見に晒されてしまいます。しかし、映画の中では(史実もそうだったかは不明ですが)、彼女を支援する女性が非常に的確なアドバイスを与えてくれます。
そして、ちょっとしたピンチを、登場人物の機転によって乗り越え、企画が動き出し、資金面も仲間のアイデアによって何とか集めることに成功します。強い思いは大切ですが、それだけでは受け入れられないことや、拒否されることもある。そんな時、別の視点から同じ物事を見てもらうことの重要性を改めて感じました。一人で何かを成し遂げるのは難しく、「色々な人に協力してもらうこと」は成功の秘訣の一つなのかもしれません。
とはいえ、500年間も見つからなかった遺骨を発見したのは、最終的にフィリッパが指摘された口癖のようなものを頼りにした指示だった…という、非常に解釈が難しい展開を迎えます。「考えるな、感じろ」的なことなのか、はたまた別の何かが働いたのか…。ぜひ、映画を観てあなた自身で感じてみてください。
【印象的なシーン】時代を超えて響く、人としての普遍的な想い
こういった史実に基づいた物語は、ある意味結末が分かっていますよね。リチャード三世の遺骨が見つかることは既定路線です。だからこそ、脚本や演出が面白くないと眠くなってしまう危険性があるのですが、『ロスト・キング』は最後まで全く飽きさせませんでした。
劇中で特に興味深かったのは、遺骨の場所がまだ特定できていない段階で、フィリッパが専門家らしき人物にアドバイスを求めているシーンです。その中で、教授のような方が次のようなことを言っていました。
- 仮にも王であった方を、きちんと埋葬していないはずがない(公にはできなかったとしても)
- 口頭伝承などで、過去が伝えられてきたはずだ(途中で途切れてしまったかもしれないが)
- 立派な建物の中に埋葬されているとは限らない
これらの言葉には、国や信仰は違えど、「人として大切にしたいもの」は万国共通なのだと感じさせられました。
子供の頃、近所のおばさんや親から「あの道は通るんじゃない」とか「ああいう場所に家を建てると…」といった伝承を聞いたことがありました。「へ~、そうなんだ~」と適当に聞き流していましたが、今思えば、我が家が家を建てた土地を選ぶ際に、そういった伝承も少しは考慮しておいても良かったのかもしれません。
とはいえ、伝承は土地選び程度にしておきましょう(笑)。生きてきて30数年。勘は外れても、直感は意外と当たるもの。この映画を観ても感じましたが、ある程度の人生経験があれば、それはもう単なる直感ではないのかもしれません。「直感」とか「第六感」と安易に言ってしまうけれど、それは積み重ねてきた経験に基づいた、ある種の判断力なのかもしれませんね。少なくとも、自分自身のことに関しては、そう信じています。
歴史好き、夢追い人必見!映画『ロスト・キング』はこんな人にオススメ
- 歴史ミステリーが好きな方
- 史実に基づいた感動的な物語に弱い方
- 諦めずに夢を追いかける人の姿に勇気をもらいたい方
- 「薔薇王の葬列」のファンの方
- 考古学や歴史に興味がある方
- 何かに情熱を注いでいる方、これから見つけたい方
- 困難を乗り越えるヒントを見つけたい方
映画『ロスト・キング』は、諦めない心と周囲の協力が奇跡を生む感動の物語
映画『ロスト・キング』は、単なる歴史ミステリーではありません。一人の主婦の強い情熱と、それを支える周囲の人々の協力が、500年もの眠りから歴史を呼び覚ますという、まさに奇跡のような物語です。
偏見や困難に立ち向かいながら、自分の信じる道を突き進むフィリッパの姿は、観る人に勇気と感動を与えてくれます。歴史好きの方はもちろん、何か夢を追いかけている方、そして諦めかけている方にこそ、ぜひ観ていただきたい作品です。
劇場を出る時、きっとあなたの心は温かく、そして何かに挑戦してみる勇気が湧いてくるはずです。
ともぴん
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