2006年公開 アメリカ映画 上映時間111分
2001年に発生したアメリカ同時多発テロ。ハイジャックされた4つの飛行機のうち唯一目標に届かなかった「ユナイテッド93便」の物語。
事件が起きる前と後
アメリカ同時多発テロが起きたのは2001年9月11日。私が中学2年生の時だ。給食の時間に学年主任の先生が慌てた様子で廊下の窓から「お父さんがアメリカに仕事で行っている人は居ないか?」と叫んでいた。何人か家族と連絡を取るために職員室に行っていたが 何か大変な事が起きたんだな… と悟った記憶がある。
まだ中学生だったので事の重大さが分かっているような…いないような微妙な年齢だったけれどその少し後、高校生になり海外旅行の際に明らかな違いを感じた。同時多発テロが起きる前に初めての海外旅行を経験していた私。その時の のほほんとしたムードで空港に向かってびっくり。
持ち込める物やサイズはチェックしていたものの ボディチェックの厳重さ(ベルトを付けたり外したり)うっかりゲートに入る前にペットボトルを買ってしまったり。出国も入国もチェックが厳重、時間もかかり到着する頃にはゾンビのようにぐったり。ガイドブックをあんなに読んでワクワクしていたのに友人と2人、朝までベッドで大爆睡。
翌日、友人と朝ごはんを食べながら それだけ大変な事だったんだよね と話したのを憶えています。それまではどこか遠い国で起きた話という意識だったかもしれないし 時間が経った事で少し危機感が薄れていたのかもしれない。でも事実、あれからも色々な国でテロは起き続けています。
あらすじ
2001年9月11日の全米同時多発テロの混乱を、全米中の飛行機を監視する管制センターや米軍基地、そして、ハイジャックされた4機の内ただ1機だけ目的地に届かず、ペンシルバニア州に墜落したユナイテッド93便の内側から描く問題作。監督・脚本は「ブラディ・サンデー」「ボーン・スプレマシー」のポール・グリーングラス。キャストは、管制官や陸軍司令官など多数の本人出演の他、ほとんど無名の俳優を起用。
ユナイテッド93:作品情報 映画.comより引用
迫るタイムリミットと結末
111分の最後の10分は泣きながら鑑賞しました。結末を知っていても「間に合え、間に合え」と祈らずにはいられない。最後に流れるナレーションには本当に心がえぐられてしまう。
毎日沢山の飛行機が飛び、到着するアメリカ。その中で同時に4機の飛行機がハイジャックされたら どんなに訓練され色々なシュミレーションをしていても同じ状況になってしまうのでは。映画を見ていると最初に「変な声が聞こえた…ハイジャックされたみたいだ…」と気付いた人がすごいんじゃないか。
ワールドトレードセンターに2機、ペンタゴンに1機、唯一目標地点に達しなかったユナイテッド93。飛行機に乗る時は誰も「まさか自分が乗っている機体がハイジャックされる訳がない」そう思っているはず。ましてや墜落するなんて夢にも思わないはず。
この映画内でも乗務員も平静を装いつつも内心はパニック状態。外部に連絡をして指示を仰ぎたいのに連絡が全く繋がらず乗務員から何も情報を聞き出せない乗客も次第に混乱していく。見かねた乗客の数人が携帯を使い家族に連絡を取り同時多発テロが起きている事、それらはハイジャックされた航空機が利用されている事を知り段々と自分たちの置かれた状況が分かってからが悲しい。
自分だったらこんな時誰に連絡して何て言葉をかけるのかと考えてしまう。もしかしたら誰にも連絡を取らないかも。取ったら死にたくない、何でこんな事にと考えても仕方のない事を考えたり後悔してしまいそうだから。
そんな中、恐怖に負けず冷静に頭を働かせ何とか生きて帰ろうと勇気ある決断をする人たちが。乗務員も協力しとても短時間で決断したとは思えないパワーで立ち向かっていく。同じ頃、どの飛行機がハイジャックされ、どの飛行機が無事なのか分からない状況で軍と政府は大混乱。
色々な策や作戦があったようだけれど結局実施はされなかった…との事。闇や噂は色々とあるけれど誰の事も責める事は出来ないなと思ってしまった。テロリスト以外は。
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ともぴん
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