映画「TAR(ター)

TAR(ター) 映画 感想 2023年

夢と現実の境目

つい最近、新しい靴下を買いました。その名も「こたつソックス」。三陰交という足のツボを押さえてくれるアイテムで、履いていると暖かいのです。

ただ、それをつい寝る時も履いたまま寝ると…暑いのでしょう。悪夢を見て目を覚ます。その悪夢がまた微妙にリアルなのです。

現在、amazon prime videoで配信中の「TAR(ター)」。劇場公開からamazon prime video入りを待ちわびていました。見終わった後、どこが現実でどこが妄想か。はたまた空想シーンなのか。もう1度見たくなる作品です。

視聴方法

amazon prime

あらすじ

ベルリンフィル初の女性マエストロ<リディア・ター>、
芸術と狂気がせめぎ合い、怪物が生まれる。その衝撃に世界平伏!

映画TAR(ター) 公式サイトより引用

映画の見どころ

ケイト・ブランシェットのマエストロ姿が素敵!

ケイト・ブランシェットのマエストロ姿がもう本当に素敵。仕草や言動で特に説明がなくてもケイト演じるリディア・ターが「神経質でこだわりの強い芸術家」なのがよく伝わってきます。

ケイト演じるリディア・ターは、同性のパートナーであるソフィアと暮らしています。ソフィアとの間に養子に迎えた娘が居ます。娘にとって彼女は父親代わり。彼女もその役割を全うしようとしています。

その姿がマエストロ姿と同じくらいカッコ良く描かれていて。指揮者としては有能だけど、少し神経質なところのあるリディア。少し子どもに冷たく見えがちだけど、彼女なりに子育てに係っている。そんな姿を上手に表現していると感じました。

▶カリスマが狂気に染まるまで

映画序盤、彼女は努力と才能を最大限に活用し「推しも推されもしないカリスマ指揮者」として描かれています。メディアにも取り上げられ、新しい本の執筆や新曲、録音等々仕事も順調な様子。マエストロ姿も生き生きとして輝いています。

が、ある事件をきっかけに様子が一変。劇中の曲、色のトーン、出演キャストの表情等映画全体が徐々に暗くなっていきます。完璧のように見えたリディアの喋り方や表情にも焦りが滲み出てきます。「余裕のなさ」がセリフや行動だけでなく周囲の環境から上手に表現されます。

また、余裕のあるカリスマ指揮者だったリディアが変貌していく様も妙にリアル。改めてケイト・ブランシェットの凄さを思い知りました。「何か伏線があるのでは?」と夢中で何回も観れるのは、ケイトの演技が深いから。

セリフ、息遣い、目の動き。「何か隠されているのでは?」「こんな意味があるのでは?」何回見ても見飽きない…。こんな映画はドント・ウォーリー・ダーリン以来。

映画について

映画タイトル
TAR(ター)


劇場公開 2023年5月12日

上映時間▶158分

出演キャスト
リディア・ター役 ケイト・ブランシェット
フランチェスカ・レンティーニ役 ノエミ・メルラン 
シャロン・グッドナウ役 ニーナ・ホス
オルガ・メトキナ役 ソフィー・カウアー

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