【読書記録】52ヘルツのクジラたち

読書

昨年買った本を読む 2021年本屋大賞受賞「52ヘルツのクジラたち」

わたしにとっての本屋大賞

この時期になるとワクワクするのが 今年の本屋大賞にどんな作品がノミネートされるか。

わたしは読書が好きで新刊も古い本も幅広く読んでいるし、好きな作家さんでないと読まないというタイプでもないので 

わたしが読んだ本はノミネートされているのか?

という目線でも気になるし 

知らない作家さんで面白い本を書いている人はいないか?

という目線でも気になる。読書の世界を広げるきっかけを作ってくれるのが わたしにとっての本屋大賞。

52ヘルツのクジラたち

 

52ヘルツのクジラたち

昨年の本屋大賞には 今は亡き 大好きな作家:山本文緒さんの「自転しながら好転する」もノミネートされていた。*残念ながら大賞受賞ならず。

2021年に本屋大賞を受賞したのは 町田そのこ著 52ヘルツのクジラたち 

書店の平積みで見かけて とても気になっていたものの 作品紹介を見て 受け止められるか分からず購入していなかった。

この書籍 児童虐待 ネグレクト が大きなテーマになっているので 苦手な方やトラウマをお持ちの方は避けた方が良いかも。

わたしも 幼少期のトラウマで読んでみたいと購入したものの どうしても手に取れない日々が続いた。

手に取れた理由

それでも この本を読む事が出来た理由。それは わたしに深い愛と信頼を教えてくれた夫がお休みで隣に居てくれる事、優しい子供たち2人も休みで傍に居てくれた事が大きい。

幼少期の寂しくて悲しくていつも消えちゃいたいと思っていたわたしはもう過去の存在。

今は幸せだから大丈夫と思える象徴的な存在が近くに居てくれた事で 物語の世界に入り込む事を防ぎたかったのだと思います。

ぐんぐん読み進む

最初こそ躊躇したり おぉ・・・とおののくシーンがあったものの 途中からはぐんぐん読み進めていきました。

わたしは 父の実家が九州なのと田舎出身なので 舞台が九州なのと田舎特有のエピソードが沢山出て来るのに一気に親近感が湧きました。

あ!こういう事言うおばさん、居るわ~

ってな感じで 物語のテーマとなっている位部分だけにフォーカスせず 上手く意識を逸らせたのだと思います。

大賞受賞を大いに頷ける物語の展開とラストに 読む事が出来て良かった と感じずにはいられませんでした。

誰しもが52ヘルツのクジラ?

わたしは今でも母親が苦手ですし 幼少期に母にされた事は自分のせいだ と思う事を辞められません。

そして 34歳になる今でも 母親と上手に関われない事を恥ずかしいことだと思っています。

そんな風に思う事はないのでしょうが きっと死ぬまでそう思う事を辞める事は出来ないでしょう。

親しい友達には高校生の頃 ぽろぽろとそういった事を話すようになりました。

類は友を呼ぶとはよく言ったもので 仲良くなる友達の3人に1人くらいは同じ様な子が居ました。

カラオケやファストフード店で それまで心の底に溜めていた思いを口に出して話すと 気持ちがラクになっていくのを感じました。

そして 友達の話を聞いていく内に 程度やシーン、内容は違えど 悩まない人は居ない。という事にも遅まきながら気付く事が出来ました。

悩みのない人なんて居ない。を恵まれた友人との時間や話の中で学ぶ事が出来たのです。

そして 自分に起きている事、起こった事を話せるようになるまでは 誰しもがこの52ヘルツのクジラだと言う事も。

この 52ヘルツのクジラたち には 

そうした声を聞いた時にどうしたら良いのか。

どう関わっていくと良いのか。

どういう支援があるのか。

などもストーリーとして載っています。児童虐待、ネグレクトをこの本で初めて知った、自分は幸せに育ってきたと思った方には 是非そうした部分を心に留めて置いて欲しい。と思っています。

高校生の頃、友達はわたしの話を聞いて嘘だ、とか可哀そうなんて言う事は1度もありませんでした。

高校生なんて未熟だし、自己顕示欲の塊みたいな時期なのに 話を聞いて頷いて傍に居てくれた事の有難さ。16年ほど経った今でも 心から有難いと感じています。

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ともぴん

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